
Webサイトやグラフィックを制作する際、「こんなデザインにしたい!」というイメージ、ありますよね?
でも、そのイメージ、クライアントと制作側で本当に合っていますか?
「青がいいな」と思っても、どんな青を想像しているかは人それぞれ。
実はこの「デザインテイストのすり合わせ」が、プロジェクト成功の鍵を握っているんです。
今回は、なぜデザインテイストの確認が重要なのか、そしてどうすればスムーズに進められるのかを、具体的な例を交えながらわかりやすく解説していきます。
目次
なぜデザインテイストの確認が重要なのか?
デザインテイストのすり合わせは、単なる好みの話ではありません。
主に以下の3つの目的があります。
1. 顧客の好みを具体的に把握するため

クライアントが「良いサイトにしたい!」と思っていても、具体的なイメージは案外漠然としているもの。
「かっこいい感じ」と言われても、それがスタイリッシュなのか、重厚感があるのか、人によって捉え方は様々です。
事前にデザインの好みを確認することで、クライアントが本当に求めているものが明確になり、認識のズレを防ぐことができます。
2. クリエイターと顧客の間でデザインの方向性を合意するため

「青」と一口に言っても、ブルースカイのような明るい青から、紺色、水色まで、ニュアンスは無限大!さらに、それが「かっこいい青」なのか「可愛らしい青」なのかでも印象は大きく変わります。
具体的なデザイン例を見せながら共通認識を形成することで、プロジェクト開始前に「こんなデザインにするぞ!」という方向性をしっかり決められます。これにより、「思ってたのと違う…」という後からの手戻りをグッと減らせるんです。
3. プロジェクトを効率的に進めるため

デザインテイストを事前に確認しておくことで、「最短距離で承認を得る」ことが可能になり、「修正の回数を減らす」ことができます。デザイナーは「この方向性でOK」という目標を持って作業を進められるので、闇雲にデザインを作る必要がなくなります。これは、クライアントもデザイナーも、お互いにとって時間を無駄にしない、とっても効率的なプロセスなんです!
「好み」と「成果(マーケティング)」の関係性
「デザインは好みで選んでいいんでしょ?」と思うかもしれませんが、ちょっと待った!デザインの好みは、必ずしもサイトの成果(「勝てるかどうか」)に直結するわけではありません。
デザインはマーケティングの一部
ウェブサイトやグラフィックは、ただ見た目が良ければいいわけじゃないんです。

成果を出すためには、サイトの構造(フレームワーク)やマーケティング戦略が大きく影響します。デザインテイストは、ターゲット層やビジネスの目的に合わせて選ばれる「マーケティングの一部」と考えるのが正解です。
たとえば、「お問い合わせを気軽に増やしたい」という目的であれば、「可愛い」や「爽やか」なテイストを選ぶことで、親しみやすさを出してハードルを低く見せる効果があります。
一方、「しっかりとした信頼性をアピールしたい」のであれば、「高級感」や「信頼感のある濃い青」など、重みのあるデザインが選ばれる傾向にあります。
このように、同じ業種であっても、目指す顧客層やビジネスの目的に応じて2〜3種類のデザインテイストが存在しうるんです。
もしクライアントから「黒色が好きだからホームページを黒にしたい」という要望があっても、それが成果につながらない場合は、成果が出る方向性について丁寧に説明し、納得してもらうことが重要になります。
具体的なデザインテイストの確認方法
では、実際にどうやってクライアントとデザインテイストをすり合わせれば良いのでしょうか?
効果的な方法は以下の通りです。
1. 様々なデザインの例を提示する

一番効果的なのは、具体的なURLや、スクリーンショットを貼ったリンク集などを見せることです。
例えば、ウェブサイト集や、Pinterest(ピンタレスト)で「ホームページ」と検索して出てくる画像などを活用してみましょう。
※ホームページとランディングページではデザインの役割が異なる場合があるので、目的に合った適切な参考サイトを選ぶことが大切です。
2. 好みのものを複数(例:3点)選んでもらう

漠然と「良いサイトを選んでください」と言われると、クライアントも困ってしまいますよね。
そこで、「この中から好みのデザインを3点選んでください」のように、具体的な数を提示することで、クライアントも選びやすくなります。
これにより、クライアントの潜在的な好みを引き出すことができます。
3. 言葉遣いを工夫する

「どんなホームページがいいですか?」と尋ねると、クライアントによってはサイトの構造(フレームワーク)など、デザイン以外の要素に言及してしまうことがあります。
そのため、「デザインの好みを合わせに行きます」といったように、「デザイン」という言葉を明確に使うことで、誤解を防ぎ、スムーズに話しを進めることができます。
まとめ
デザインテイストの確認は、Webサイト制作プロジェクトの初期段階、具体的にはフレームワークを確定させる前に行うべき非常に重要なステップです。
このプロセスをしっかり行うことで、クライアントと制作側の認識のズレを最小限に抑え、手戻りを減らし、最終的により良い成果に繋がるサイトやデザインを生み出すことができます。
単なる「好み」の確認だけでなく、ビジネスの目的やターゲット層を踏まえた「マーケティング戦略の一部」としてデザインテイストを捉えることで、プロジェクトの成功に大きく貢献するでしょう。
参考資料
- Pinterest: https://www.pinterest.jp/