はじめに:AI時代の到来で「検索の当たり前」が変わった
AI(人工知能)が検索エンジンに組み込まれるようになり、「これからのネット集客はどうなるの?」と不安に感じている中小企業の方も多いのではないでしょうか。
結論から言うと、これからの時代は「会社名やサービス名で直接検索(指名検索)されること」が最も重要になります。
本記事では、2026年6月に発表された最新データをひも解きながら、AI時代において中小企業がどのように情報発信していくべきかを、専門用語を極力使わずにわかりやすく解説します。
なぜAI時代に「指名検索」が急増しているのか?

これまでの検索(SEO)は、ユーザーがキーワードを検索し、一覧からリンクをクリックしてサイトを訪れるのが一般的でした。
しかし、AIが直接回答を教えてくれる機能(AI OverviewsやAI Modeなど)が普及したことで、ユーザーの行動が大きく変わっています。Similarwebの最新レポート(2026年公開)によると、次のような事実が判明しました。
- AIの回答でブランドが推奨された際、ユーザーはそこにある外部リンクを踏むのではなく、そのブランド名(Entity名)をコピーして直接Googleで再検索(指名検索)する行動が当たり前(デフォルト)になっています。
- ChatGPTなどのAIの推奨から発生するその後のアクセスのうち、約56%(55.9%)がこの「指名検索」経由でした。
- AIに推奨されたブランドは、サイトへの訪問数が2.5倍に増加しました。
つまり、AIはリンクをクリックさせるための単なる案内板ではなく、「こんな良い会社がありますよ」と自社を認知してもらうためのショーケースとして機能しているのです。
「指名検索のボリューム」が今後の集客力の評価軸に
この変化に伴い、ウェブ集客における評価の仕組みも変わってきています。近年注目されている「LLMO(大規模言語モデル最適化:AIに向けた検索対策)」の成果は、「指名検索がどれくらい増えたか」で測る方向へ完全に移行しつつあります。
現在のアクセス解析の仕組みでは、「AIの回答から直接サイトに来たのかどうか」を正確に測りきれない死角があります。そのため、「AIのおすすめ効果が出ているか」を確認するには、自社の社名やブランド名が月に何回検索されたかをトラッキング(追跡)することが一番確実な指標となります。
中小企業はどう情報発信すればいいの?3つの具体策
では、具体的に中小企業はどのような発信を心がければ、AIに推奨され、ユーザーからの指名検索を獲得できるのでしょうか。
1. 「〇〇といえばこの会社」という独自性を尖らせる
AIは、特徴がはっきりしていて専門性の高い企業を回答として選びやすい傾向があります。
「何でもできます」という一般的な発信よりも、「この地域で〇〇の技術なら誰にも負けない」といった、自社ならではの強み(オリジナリティ)を明確にして発信しましょう。
お客様のリアルな体験談や独自の事例など、自社にしか出せない一次情報を出すことが重要です。
2. 名前を覚えやすく、検索しやすくする
ユーザーがAIの回答を見たあと、そのままGoogleで検索してくれないと意味がありません。
そのため、会社名やサービス名はシンプルで覚えやすいものにしておくことが大切です。また、他の一般的な単語と被らない独自のネーミングであるほど、指名検索されたときに自社のサイトが確実に見つかりやすくなります。
3. 小細工は逆効果!誠実な発信を続ける
「AIの回答に上位表示させる」と謳う怪しい対策ツールや業者には注意が必要です。
2026年6月下旬に展開されたGoogleのスパムアップデートでは、引用元を購入したり改ざんしたりするような「AIの回答を不正に操作する行為」が正式にペナルティの対象となりました。Googleの担当者も「良いSEO(従来の検索対策)は、良いGEO(生成AI向けの最適化)と一致する」と発言しています。
検索の仕組みが変わっても、特別な抜け道を探すのではなく「お客様にとって本当に役立つ、誠実で質の高い情報を発信し続けること」が、結果的に最も強いAI対策になります。
まとめ
AIの登場によって、ウェブ集客は「無理にリンクをクリックさせる時代」から、「AIに推奨され、名前を覚えてもらい、指名検索される時代」へと大移動しています。
中小企業が明日からできることは、自社の強みを見つめ直し、お客様の役に立つ事例や独自のノウハウを地道に発信していくことです。その積み重ねが結果としてAIに評価され、多くの指名検索を生み出すことにつながるでしょう。
