「Search Consoleの検索データが13ヶ月で消えてしまうのどうにかならない?」
「過去に遡ってGA4の行動データと検索データを横断的に分析したい」
結論から言います。Search Consoleの「一括データエクスポート」設定を行い、BigQuery上でGA4データと結合、そして複雑なクエリ(命令文)作成や分析はすべてAI(Gemini)に任せるのが正解です。
この記事では、Search ConsoleのデータをBigQueryに送る設定から、GA4データと組み合わせてGeminiで「宝の山」を見つけるまでの流れの入り口までを解説します。
目次
ステップ1:Search ConsoleデータをBigQueryにエクスポートする
まずは、Search Console(以下SC)のデータをBigQueryに送る「パイプ」を作ります。これはGoogleが公式に提供している機能を使えば簡単です。
1. 準備するもの
- Google Cloud Platform (GCP) のプロジェクト: まだない場合は作成し、課金設定(クレジットカード登録など)を有効にしておきます。
- ※注:データの保管や処理に少額のコストがかかる場合がありますが、小規模なら無料枠で収まることも多いです。
2. 設定手順
- Search Consoleの管理画面を開き、左メニューの「設定」をクリックします。
- 「一括データ エクスポート」を選択します。
- 「プロジェクトID」に、先ほど用意したGCPのプロジェクトIDを入力します。
- 「データの宛先(データセット名)」を設定しますが、ここはGA4で設定したデータセットの場所がいいでしょう。無難なのは東京です。
- 「続行」→「エクスポートをセットアップ」をクリック。
これで設定は完了です!

注意点:このエクスポートは「設定した日以降」のデータが蓄積されます。過去のデータは遡って取得できないため、1日でも早く設定ボタンを押すことが重要です。
用語解説:BigQuery(ビッグクエリ)
Googleが提供する超高速なデータ保管庫・分析ツールのこと。Excelでは開けないような膨大なデータも一瞬で処理できます。
ステップ2:BigQueryでSCとGA4のデータを連携する
次に、すでにBigQueryに連携されている(はずの)GA4データと、今回設定したSCデータを「合体」させます。
連携のカギは「URL」
- Search Console: どの「ページ(URL)」に、どんなキーワードで流入したか。
- GA4: その「ページ(URL)」で、ユーザーがコンバージョン(購入や登録)したか。
この2つをURL(ランディングページ)を共通のキーとして繋ぎ合わせることで、「検索順位は低いけど、来れば必ず売れるページ」や「アクセスは多いけど、直帰ばかりのページ」が見えてきます。
しかし、ここで壁になるのがSQL(エス・キュー・エル)というデータベース言語です。
ここでGeminiの出番です。
ステップ3:Geminiを使って分析・SQLを書かせる
Google Cloudのコンソールには、AIによる支援機能(Gemini in BigQuery)が組み込まれています(または、通常のGeminiチャットを使ってもOKです)。
具体的な分析フロー
自分で難しいコードを書く必要はありません。Geminiに以下のように指示を出してみましょう。
シチュエーション
「Search Consoleのデータ(テーブルA)と、GA4のデータ(テーブルB)を使って、『表示回数は多いのに、コンバージョン率が低い記事』を見つけたい」
Geminiへのプロンプト例(指示文)
以下のようなプロンプトをGeminiに入力します。
あなたはデータアナリストです。BigQueryにある以下の2つのテーブルを連携して分析したいです。
- Search Consoleデータ:
searchdata_url_impressionテーブル(URLごとの表示回数、クリック数が入っている)- GA4データ:
events_*テーブル(page_locationごとのsession_start、conversionsが入っている)この2つをURLで結合し、「表示回数が1000回以上」かつ「コンバージョン率が0.1%未満」のページリストを抽出するSQLクエリを書いてください。
Geminiが出した結果をどう使う?
Geminiは、そのままコピー&ペーストで使えるSQLクエリを生成してくれます。それをBigQueryの実行画面に貼り付けて「実行」ボタンを押すだけ。
これによって、「リライトすべき(改善の余地がある)記事リスト」が一瞬で手に入ります。
まとめ:今すぐエクスポート設定をしよう
今回のポイントは以下の3点です。
- Search Consoleのエクスポートは「設定した後」からしかデータがたまらない。 今すぐ設定しましょう。
- SCとGA4は「URL」で紐付けることで、SEOと成果を横断して分析できる。
- 難しいSQLはGeminiに書かせる。 人間は「何を知りたいか」を考えることに集中する。
これまで「SEO担当」と「Web解析担当」で分断されがちだったデータも、BigQueryとGeminiを使えば簡単に統合分析が可能です。ぜひ試してみてくださいね!
Would you like me to…
今回の記事内容に基づいて、「Geminiにそのままコピペして使える、具体的な分析用プロンプトのテンプレート」を作成しましょうか?(例:「お宝キーワード発掘用」「リライト優先度判定用」など)
出典・参考資料
本記事は、以下の信頼できる公式情報および提供された資料を元に作成・構成しています。
- Google Search Central (YouTube):
- Search Console bulk data export to BigQuery
- https://www.youtube.com/watch?v=Kw5a3olzIXE
- ※Search Consoleの一括データエクスポート機能の仕様、設定手順について参照
- Google 検索セントラル ドキュメント:
- Search Console の一括データ エクスポート
- https://developers.google.com/search/help/bulk-data-export?hl=ja
- ※エクスポートされるテーブル定義、過去データが含まれない点について参照
- Google アナリティクス ヘルプ:
- [GA4] BigQuery Export のセットアップ
- https://support.google.com/analytics/answer/9358801?hl=ja
- ※GA4データのBigQuery連携仕様について参照
