【生成AI時代】AIを使うと文章力が低下する?「国語力」こそが最強の武器になる理由と鍛え方

「生成AIに任せれば、数秒で文章が完成する。便利だけど……これって自分の文章力がどんどん落ちていくんじゃ?」

そんな不安を感じていませんか?

かつてPCの普及で私たちが漢字を書けなくなったように、
今度は「文章を書く力」や「良し悪しを見極める力」まで失ってしまうのではないか。

でも、結論から言います。安心してください。むしろ、これからはあなたの「国語力」がこれまで以上に輝く時代になります。

なぜなら、AIはあくまで「優秀な助手」であり、指示を出し、最後に責任を持つのは「あなた」だからです。文部科学省や文化庁の最新の見解を紐解きながら、AI時代にこそ求められる「真の国語力」とその鍛え方について解説します。


ステップ1:不安の正体を知る「書く力」の定義が変わった

まず、私たちが抱えている「書けなくなるのではないか」という不安の正体をハッキリさせましょう。

これまでの「書く力」は、真っ白な紙にゼロから文字を埋める力でした。

しかし、文部科学省が学校教育向けのガイドライン(※1)で示しているように、これからの時代に求められるのは「AIを使いこなし、対話しながらより良い答えを導き出す力」です。

つまり、「ゼロから書く力」が多少衰えたとしても、「指示する力(プロンプト力)」と「直す力(編集力)」があれば、トータルの生産物は以前より質の高いものになります

昔: 自分でレンガを積んで家を作る(肉体労働的)

今: AIに設計図を渡して作らせ、欠陥がないかチェックする(現場監督的)

現場監督が「どんな家が良い家か」を知らなければ、良い家は建ちませんよね?
つまり、文章の良し悪しがわかる「目利き」の力は、AI時代になっても失われるどころか、現場監督の必須スキルとしてより重要になるのです。

ステップ2:AIへの指示出しは「語彙力」が9割

AI時代の重要な核心は「正確な言葉を使うこと」です

生成AIは、あなたの入力した言葉(プロンプト)を忠実に処理します。

ここで差がつくのが「語彙力」です。文化庁の国語に関する世論調査(※2)でも、言葉は「物事を深く考えるための基盤」であるとされています。

具体的な例を見てみましょう。

語彙力が低い指示:
「取引先に謝るメールを書いて」→ AIは当たり障りのない、心のこもっていない定型文を出力します。

語彙力が高い指示:
「長年の付き合いがある取引先に対し、納品遅れを謝罪するメールを書いて。原因は物流トラブルだが、言い訳がましくならないように配慮し、今後の再発防止策として配送ルートの多重化を検討していることを強調して、誠実さが伝わるトーンで作成して」

いかがでしょうか? 後者のように、状況を正確な言葉で言語化(定義)できれば、AIは驚くほど精度の高い文章を返してくれます。
「AIが賢い」のではなく、「使い手の国語力が高いから、AIが賢くなれる」のです。

ステップ3:文章力を落とさない!「編集者の視点」を持つトレーニング

では、どうすれば「文章の良し悪しがわからない」状態を防ぎ、国語力を維持・向上できるのでしょうか?
明日からできる3つのトレーニングを紹介します。

1. 「AIの文章は70点」と疑ってかかる(ファクトチェックと推敲)

AIが出してきた文章をそのままコピペして完了……これでは、確かに力は落ちていきます。

文部科学省も、AIの回答を鵜呑みにせず、自分の目と頭で確認する重要性を強調しています。

AIは優秀な部下だが、たまに嘘をつくし、配慮が足りない」と思って接してください。

「ここはもっと柔らかい表現のほうがいいな」「この論理は少し飛躍しているな」と赤ペン先生のように添削すること。
この「推敲(すいこう)」のプロセスこそが、現代の文章トレーニングです。

2. 「なぜ良いのか?」を言語化する

あなたが「この文章いいな」と思ったとき、あるいは「なんか変だな」と思ったとき、それを感覚で終わらせないでください

「接続詞の使い方がスムーズだから読みやすいんだ」
「この比喩が状況に合っていないから違和感があるんだ」と、
理由を言葉にする癖をつけましょう。これが、AIの出力結果を評価する「審美眼」を養います

3. 良質な人間の文章を「読む」

アウトプットをAIに頼る分、インプット(読書)の質にはこだわってください
文化庁も、読書が「感性や情緒」を育むと述べています。

美しい日本語、論理的な構成、心揺さぶる表現は、まだAIが完全には模倣できない領域です。

プロの作家やジャーナリストが書いた質の高い文章を読み続け、自分の中に「良質な文章の基準(モノサシ)」を持ち続けることが大切です。


まとめ

生成AI時代において、あなたの国語力は「不要」になるのではなく、「AIを動かすためのOS(基本ソフト)」へと進化します。

  • 不安にならなくて大丈夫: 書く作業はAIに任せても、「良し悪しの判断」は人間だけの特権です。
  • 語彙力を磨こう: 正確な指示出しこそが、AIのポテンシャルを最大限に引き出します。
  • 編集者になろう: AIの成果物を推敲し、責任を持つことで、あなたの文章センスは磨かれ続けます。

「PCで漢字が書けなくなった」と嘆くより、「変換機能を使いこなして、難しい漢字も正確に使えるようになった」と考えるように、AIも使いようです。

さあ、今日からAIへの指示出しを「なんとなく」から「こだわりの指示」に変えてみませんか? その瞬間から、あなたの国語力は鍛えられていますよ。

参考資料

この記事は、以下の信頼できる機関の公開情報を元に作成・構成しています。

  1. 文部科学省:初等中等教育段階における生成AIの利活用に関するガイドライン
  2. 文化庁:国語に関する世論調査