採用活動では、きれいに整えた企業PRだけでは学生の不安を解消しきれないことがあります。
当社代表の益井貴生が語る「一次情報」の考え方は、学生が実際に抱く疑問や、現場で起きている出来事を直接受け取り、採用コンテンツや対話に反映することだと捉えられます。
ポイントは、企業が伝えたい情報を一方的に発信するのではなく、学生が本当に知りたい情報を起点にすることです。これにより、応募前後の認識のずれを減らし、企業への納得感や信頼感を高めやすくなります。
一次情報とは、学生や現場から直接得る「生の声」
一次情報とは、誰かが加工・要約した情報ではなく、当事者から直接得られる情報のことです。
採用の場面では、学生が説明会やインターンシップで口にした質問、アンケートの自由記述、面談で見えた迷いなどが該当します。
たとえば、学生が「残業はどの程度ですか」「若手はどこまで任せてもらえますか」と質問する場合、その背景には給与、働き方、成長機会への不安があります。質問の言葉だけで終わらせず、なぜその点が気になるのかまで捉えることが重要です。
1. 聞きにくい本音を可視化し、採用サイトで答える
学生は、給与、残業、休暇、評価、人間関係などについて、本当は詳しく知りたいと思っていても、説明会や面接では質問をためらうことがあります。こうした本音を採用サイトの閲覧データ、問い合わせ、アンケート、座談会などから集め、FAQや社員インタビューとして公開する方法が考えられます。

コンテンツ化しやすいテーマ
- 入社1年目から3年目までの仕事内容と成長の流れ
- 評価制度や給与の考え方
- 繁忙期を含めた働き方の実態
- 失敗したときのフォローや相談先
- 配属、異動、キャリア形成の考え方
重要なのは、都合のよい面だけを強調しないことです。
業務の大変さや繁忙期がある場合も、企業としてどのように支援し、改善しているのかを具体的に伝えることで、かえって信頼を得やすくなります。
2. 職場の情報に「物語」を重ね、企業への愛着を育てる

オフィス紹介やVRによる職場見学は、学生が働くイメージを持つうえで役立ちます。
ただし、空間を見せるだけでは「きれいなオフィス」という印象で終わる可能性があります。
そこで、創業時のエピソード、事業を続けてきた理由、社長や社員が大切にしている価値観、その場所で生まれた仕事の成果などを組み合わせます。すると、職場は単なる場所ではなく、歴史や人の思いがある組織として伝わります。
たとえば会議室を紹介する際も、「重要な顧客課題の解決策をチームで議論した場所」「若手社員の提案が新サービスにつながった場所」といった具体的な背景を添えると、学生は自分がその組織で働く姿を想像しやすくなります。
3. 課題解決の事例で、プロフェッショナルとしての信頼を示す
「成長できる会社です」「挑戦を歓迎します」といった抽象的な表現は、多くの企業が使うため、差別化が難しくなりがちです。
特に知名度で大企業と比べられやすい企業ほど、実際にどのような課題に向き合い、どう解決したかという一次情報が強みになります。

事例は3つの流れで伝える
- どのような課題があったか
顧客や社会、社内が抱えていた具体的な問題を示します。 - 社員がどう考え、行動したか
職種ごとの役割、試行錯誤、チームでの連携を伝えます。 - どのような成果や学びが得られたか
成果だけでなく、次に生かした改善点も紹介します。
この形で発信すると、学生は事業内容だけでなく、実際の仕事の進め方や求められる姿勢を理解できます。「自分がこの環境で力を発揮できそうか」を判断する材料にもなるため、採用のミスマッチ防止にもつながります。
4. インターンシップと説明会を、コンテンツの情報源にする
インターンシップや会社説明会は、学生との接点をつくる場であると同時に、採用情報を改善するための貴重な情報源です。その場で出た質問や反応を記録し、繰り返し出る疑問を採用ブログ、FAQ、動画、社員座談会のテーマに反映します。

運用の流れ
- 説明会・インターンシップ後に、匿名で質問や不安を集める
- 質問を「仕事内容」「働き方」「選考」「キャリア」などに分類する
- 頻度が高いテーマを優先し、具体例を交えて回答する
- 公開後も学生の反応を確認し、内容を更新する
このように対話を起点に運用すれば、採用担当者だけの想像でコンテンツをつくる状態から抜け出せます。学生が求める情報を継続的に届けられるため、応募数だけでなく、応募の質や入社後の定着にも良い影響が期待できます。
一次情報を扱うときの注意点
- 個人が特定される発言やアンケート内容は、そのまま公開しない
- 一部の学生の意見だけで全体を判断せず、複数の声と傾向を確認する
- 回答できない質問も放置せず、公開可否や回答範囲を明確にする
- 実態と異なる過度な演出を避け、現場と採用メッセージの整合性を取る
一次情報は強い説得力を持つ一方、扱い方を誤ると誤解や信頼低下につながるおそれもあります。
学生の声を尊重しながら、事実確認と個人情報への配慮を徹底することが大切です。
まとめ
益井貴生が語る「一次情報」の価値は、採用活動においては学生の本音と現場の実態を直接つなぐことにあると考えられます。
- 学生が聞きにくい疑問を採用コンテンツで丁寧に解消する
- 職場の映像や写真に、創業・仕事・人の物語を重ねる
- 具体的な課題解決事例で、企業の専門性と信頼性を示す
- 説明会やインターンシップの質問を継続的に発信へ生かす
まずは、直近の説明会やインターンシップで寄せられた質問を振り返り、最も多かった疑問を1本のFAQやブログ記事にするところから始めるとよいでしょう。
