「CV(コンバージョン)が発生したけれど、このユーザーは最初に広告をクリックしたのか、それとも自然検索(オーガニック)で入ってきたのか?」
「広告が直接CVしなくても、実は最初のアプローチ(トスアップ)として貢献しているのではないか?」
Webマーケティングを行っていると、
「ユーザーのCVまでの物語(経路)」が見えずにモヤモヤすること、
ありますよね。
結論からお伝えしますと、
GA4(Googleアナリティクス4)の「広告」セクションにある「コンバージョン経路」レポートを使うことで解決できます。
「ラストクリック(最後の接点)」だけで評価する時代は終わりました。ユーザーがCVに至るまでの「アシスト貢献」を可視化して、広告とオーガニックの本当の実力を暴いていきましょう。
1. なぜ「CVの区別」がつかないのか?
通常、Google広告の管理画面や、GA4の標準的なレポート(トラフィック獲得など)で見ている数値は、多くの場合「ラストクリック(最後にクリックされたもの)」が評価されがちです。
例えば、以下のようなユーザーの動きがあったとします。

- 【初回】 Google広告を見てサイトを知り、クリック(まだCVしない)
- 【検討】 数日後、ブランド名を「自然検索」して再訪問(まだCVしない)
- 【決定】 さらに数日後、ブックマークやお気に入りから「直接訪問(Direct)」して購入(CV!)
この場合、ラストクリックで見ると「Direct(直接訪問)」の手柄になってしまいます。「最初に連れてきた広告」や「検討を促した自然検索」の貢献が見えなくなってしまうのです。
これを解決するのが「アトリビューション(貢献度)分析」です。
2. 解決策:GA4で「コンバージョン経路」を確認する手順
実際に、ユーザーが「オーガニックと広告、どちらを経由してきたか」「どう混ざっているか」を確認する手順を解説します。 ※前提として、GA4とGoogle広告のアカウント連携が完了している必要があります。

手順①:「広告」ワークスペースを開く
GA4の左側メニューにある「広告」というアイコンをクリックします。
(※「レポート」や「探索」とは別の場所にあります)
手順②:「コンバージョン経路」を選択
「アトリビューション」メニューの中にある「コンバージョン経路」をクリックします。
手順③:経路のパターンを分析する
ここで、CVに至ったユーザーがどのような経路を辿ったかがランキング形式で表示されます。
- Google広告 → Organic Search
- これは「広告がトスアップ(認知)」し、その後「検索で指名買い」してくれたパターンです。ご質問にある「広告によるトスアップ」がここで確認できます。
- Organic Search → Google広告
- これは「最初は自然検索で知った」けれど、後押しとして「リマーケティング広告などで再来訪」してCVしたパターンなどが考えられます。
ポイント:タッチポイントの分類
レポートの上部には、以下の3つの分類で貢献度がグラフ化されています。
- 初期のタッチポイント:ユーザーが最初にサイトを知ったきっかけ(トスアップ役)
- 中間のタッチポイント:検討段階での再訪問
- 最後のタッチポイント:実際にCVを決めた最後の訪問
これにより、「Google広告は、CVの決定打にはなっていないが、初期のタッチポイント(認知)として大きく貢献している」といった事実を発見できます。
3. モデル比較で「広告の隠れた価値」を知る
もう一つ便利な機能が「モデル比較」です。
(場所:「広告」>「アトリビューション」>「モデル比較」)
ここでは、以下の2つを比較してみてください。
- ラストクリック(従来の評価:最後に触れたチャネルの手柄)
- データドリブン(GA4の推奨:AIが貢献度を各接点に割り振る)

もし、「ラストクリック」よりも「データドリブン」の方がGoogle広告の数値(CV数や売上)が高くなっている場合、「その広告は、直接刈り取る力以上に、アシスト(間接効果)として大きく機能している」という証明になります。
逆に、ラストクリックの方が高い場合は、その広告は「刈り取り特化型」であると判断できます。
4. 具体的なユーザー1人ひとりの動きを見たい場合
「統計データではなく、特定のCVユーザーがどう動いたか具体例を見たい」という場合は、「探索」機能の「ユーザエクスプローラ」を使用します。
- 左メニュー「探索」>「空白」または「ユーザエクスプローラ」を選択。
- セグメントで「コンバージョンしたユーザー」を作成・適用。
- 個々のユーザーIDをクリックすると、タイムライン形式で「Organic Search(〇月〇日) → Paid Search(〇月△日) → CV」のようなログを確認できます。
※ただし、これはあくまで「個別の事例(N=1)」を見るためのものです。全体の予算配分や施策決定には、前述の「コンバージョン経路」レポートを使用してください。
まとめ:点ではなく「線」で評価しよう

今回のポイントをまとめます。
- CVユーザーの流入元を区別するには、GA4の「広告」>「コンバージョン経路」を見る。
- 「広告 → オーガニック」という順序なら、広告はトスアップ(認知)に貢献している。
- 「オーガニック → 広告」という順序なら、広告は刈り取り(決定)に貢献している。
- 「モデル比較」を使うと、ラストクリックでは見えないアシスト価値を数値化できる。
「広告のCV数が減ったから止めよう」と安易に判断するのは危険です。実はその広告が、オーガニック流入のきっかけを作っているかもしれません。ぜひ、ユーザーの体験を「線」で捉えて、予算配分を最適化してみてください。
参考文献・引用元
本記事の内容は、Google公式のヘルプページ等の信頼できる情報を元に作成しています。詳細な仕様や最新情報は以下をご参照ください。
- Google アナリティクス ヘルプ:[アトリビューションとアトリビューション モデリングについて]
- 引用箇所:アトリビューションの概念、データドリブン アトリビューションの説明
- URL: https://support.google.com/analytics/answer/10596866?hl=ja
- Google アナリティクス ヘルプ:[コンバージョン経路レポート]
- 引用箇所:コンバージョン経路レポートの見方、初期・中間・最後のタッチポイントの定義
- URL: https://support.google.com/analytics/answer/10596116?hl=ja
