Meta広告(Facebook・Instagram広告)を運用していると、最近よく目にするのが「Advantage+(アドバンテージプラス)」という言葉です。「AIが自動でやってくれる」とは聞くけれど、具体的にどんな情報を元に設定されているのか、勝手に任せて大丈夫なのか、不安に感じている方も多いのではないでしょうか。
この記事では、特に利用頻度の高い「Advantage+ オーディエンス」と「Advantage+ カタログ広告」について、AIが裏側でどのようなデータを参照し、何を基準に広告を配信しているのかを分かりやすく解説します。
目次
Advantage+ オーディエンス:ターゲット設定の自動化
「Advantage+ オーディエンス」は、これまで人間が細かく設定していた「年齢」「興味・関心」などのターゲット設定を、AIに任せる機能です。
AIは闇雲に配信しているわけではなく、主に以下の情報を元に「成果が出そうな人」を探し出しています。
AIが参照しているデータ
- 過去の配信実績:
あなたのアカウントで過去にどんな人がクリックや購入をしたか。 - ユーザー行動データ:
Metaプラットフォーム上での行動や、Webサイトに設置されたピクセル(計測タグ)から得られるデータ。
これらを分析し、人間が手動で設定するよりも広い範囲から、購入や登録をしてくれそうなユーザーを自動で探索します。
人間が指示する「制御」と「提案」の違い
AIに完全に丸投げするわけではありません。
運用者は「制御(Restriction)」と「提案(Suggestion)」という2つの方法でAIに指示を出します。この違いを理解することが重要です。

| 設定タイプ | 役割 | 具体例 |
|---|---|---|
| 制御 (Restriction) | AIが絶対に守るルール。 「ここには配信しないで」という制限。 | ・年齢制限(例:20歳以上のみ) ・配信地域の限定 ・既存顧客の除外 |
| 提案 (Suggestion) | AIへのヒント。 「まずはこの辺りを探してみて」という推奨。 | ・過去の購入者リスト ・性別や年齢層の目安 ・興味関心のキーワード |
「提案」として入力した情報はあくまでヒントなので、AIはそれを参考にしつつ、成果が出そうであればその範囲外にも配信を広げます。
逆に「制御」に入力した条件は厳守されます。
学習に必要な期間とデータ量
AIが賢くなるためにはデータが必要です。一般的には以下の期間とデータ量が推奨されています。
学習期間:7〜14日間
推奨データ量:週に50件以上のコンバージョン(購入などの成果)
配信開始直後は数値が不安定になることがありますが、学習期間中はむやみに設定を変更せず、AIが学習するのを見守るのがポイントです。
Advantage+ カタログ広告:クリエイティブの自動化
「Advantage+ カタログ広告」(旧:ダイナミック広告)は、ECサイトなどで特に効果を発揮する機能です。ユーザーごとに「表示する商品」や「見せ方」を自動で変える仕組みです。

AIが参照している情報
AIは以下の2つをマッチングさせています。
- ユーザーの行動:その人がWebサイトで「どの商品を見たか」「カートに入れたか」、あるいは普段どんな商品ジャンルに興味があるか。
- 商品カタログ情報:広告主が登録した商品画像、価格、在庫状況など。
これにより、「Aさんには以前チェックしていたスニーカー」を、「Bさんには興味を持ちそうな新作のバッグ」を、といった具合にパーソナライズして表示します。
クリエイティブも自動調整される
単に商品を表示するだけでなく、見せ方も自動化されます。
- ダイナミックメディア:ユーザーの好みに合わせて、静止画を見せるか動画を見せるかを自動切り替え。
- 情報のラベル表示:商品画像の上に「価格」や「割引率」などを自動で重ねて表示。
AIに任せるときに人間が気をつけること
AIは強力ですが、万能ではありません。以下の点に注意して設定を行いましょう。

1. 新規獲得なら「既存顧客」を除外する
Advantage+ オーディエンスを使う際、何もしないと「過去に購入したことがある人(成果が出やすい人)」にばかり配信が偏る可能性があります。新規顧客を増やしたい場合は、「制御」設定で既存顧客リストを除外しましょう。
2. 高品質なデータを連携する
AIの判断材料となるデータが不正確だと、効果が出ません。Webサイトのピクセル設定や、サーバー側でのデータ連携(CAPI)を整備し、正確な購入データをMeta側に送ることが重要です。
3. クリエイティブ(素材)を磨く
ターゲット設定が自動化された分、人間の役割は「誰に届けるか」よりも「何を届けるか(画像や動画)」にシフトしています。AIがテストできるよう、多様なバリエーションのクリエイティブを用意しましょう。
まとめ
Meta広告のAdvantage+は、ブラックボックスのように見えて、実は明確なロジックで動いています。
オーディエンス:過去の実績と行動データを元に、人間が与えた「ヒント(提案)」を参考にしつつ、「ルール(制御)」を守ってターゲットを探す。
カタログ広告:ユーザーの行動履歴と商品データをマッチングさせ、最適な商品を一人ひとりに表示する。
「AIに任せる部分」と「人間が指示する部分(制御や素材)」を正しく理解して、効率的な運用を目指しましょう。
