「Google検索で上位表示されているのに、以前ほどクリックされない」
「サイトへの流入はあるのに、コンバージョン(成果)に繋がらない」
もしあなたがこのような悩みを抱えているなら、それはユーザーの情報収集行動そのものが変化しているサインです。かつては「何かを知りたいときはまず検索エンジン」が当たり前でしたが、現在はSNSや動画プラットフォームなど、ユーザーが滞在する場所が分散しています。
この記事では、SEOだけに頼る限界と、今まさにユーザーがインターネット上の「どこ」に時間を費やしているのかを解説し、そこに露出を増やすための戦略について紐解いていきます。
なぜSEOだけでは不十分なのか
SEO(検索エンジン最適化)は依然として強力な集客手段ですが、「検索する」という行為は、ユーザーが能動的にキーワードを入力した瞬間にしか接点が持てないという弱点があります。

現代のユーザーは、検索窓にキーワードを打ち込む時間よりも、「流れてくる情報を眺める時間」や「お気に入りのコンテンツを楽しむ時間」の方が圧倒的に長い傾向にあります。つまり、検索結果で待っているだけでは、ユーザーの可処分時間(自由に使える時間)の大部分にアプローチできていないのです。
ユーザーはネット上の「何」に時間を費やしているのか?
では、具体的な露出先を考えるために、ユーザーが実際に何に時間を使っているのかを見ていきましょう。
総務省や主要な調査機関のデータを基に、現代のインターネット利用傾向を整理します。

1. 動画共有・配信プラットフォーム
最も時間を費やされている代表格が「動画」です。
総務省の調査によると、特に若年層から現役世代にかけて、休日のインターネット利用の多くが動画視聴に充てられています。
- YouTube: 幅広い年代が利用。「検索」の代わりとしてハウツー動画を探すユーザーも多い。
- TikTok / Instagram Reels: 短尺動画を次々と視聴する「受動的」な視聴スタイルで、長時間の滞在を生み出している。
- 動画配信サービス(Netflix, Amazon Prime Video等): エンターテインメントとしてまとまった時間を消費する場所。
2. ソーシャルメディア(SNS)
コミュニケーションツールとしてだけでなく、「情報収集」「暇つぶし」の場として圧倒的な滞在時間を誇ります。
- Instagram: 画像・動画を中心とした発見型メディア。興味関心に基づいたレコメンド機能により、ユーザーを長時間引きつける。
- X(旧Twitter): リアルタイムな情報収集やトレンド確認に使用される。
- LINE: 連絡手段として必須であり、ニュースタブやVOOM(動画)などの閲覧時間も含まれる。
3. メディア接触時間の逆転現象
博報堂DYメディアパートナーズの「メディア定点調査2024」によると、すでに2024年時点での生活者のメディア接触時間において、携帯電話・スマートフォンが長時間化しており、特に若年層ではテレビ視聴時間をインターネット利用時間が上回る傾向が定着しています。
これは、ユーザーの目が「テレビやPCの検索画面」から「スマホアプリのタイムライン」に移っていることを明確に示しています。

「待ち」から「攻め」へ:露出を増やすためのアクション
ユーザーがいる場所に露出するためには、検索されるのを待つのではなく、ユーザーの生活動線に入り込む必要があります。
フィード型広告・コンテンツへの投資
SNSやニュースアプリのタイムライン(フィード)に流れるインフィード広告や、ショート動画コンテンツは、ユーザーが「なんとなく見ている」時間に自然にアプローチできます。
プラットフォームごとの最適化
同じ内容でも、場所によって見せ方を変える必要があります。
YouTube向け: 詳しい解説やストーリー性のある長尺動画、または要点をまとめたショート動画。
Instagram向け: 視覚的なインパクトを重視した画像やリール動画。
X(旧Twitter)向け: テキストベースでの共感や議論を生むトピック。
まとめ
SEOで上位を取ることは重要ですが、それだけでは「検索行動を起こした顕在層」にしかリーチできません。反応が悪いと感じたら、以下の視点を取り入れてみてください。
- ユーザーは検索画面よりも、SNSや動画アプリの中に長く滞在している。
- 「知りたい」と思った時だけでなく、「なんとなく見ている」時間に入り込むことが重要。
- ターゲット層が普段どのアプリを開いているかを想像し、そこへコンテンツや広告を露出させる。
「ユーザーが時間を費やしている場所」を特定し、そこへ適切に露出していくことこそが、これからのマーケティングで求められる戦略です。
