会社のページで使う写真・イラスト、どうすれば安心?著作権リスクと回避策を徹底解説!

「会社のホームページに載せる写真やイラスト、ネットで見つけたものをちょっと借りて使っちゃおうかな?」

そう思っているあなた、ちょっと待ってください!そのちょっと借りる行為が、実は大きなリスクを会社にもたらす可能性があります。

「著作権ってよく聞くけど、結局何?」
「どういう時に問題になるの?」
「ネットの画像を無断で使ったらどうなっちゃうの?」

こんな疑問、この記事でスッキリ解決しましょう!
会社のページを安心して運営するために、写真やイラストの著作権について、基本的な知識から具体的なリスクと回避方法まで、わかりやすく解説しますね。

著作権の基本とリスクを回避するためのステップ

会社のページを著作権侵害のリスクから守り、安心して運営していくためのステップを一緒に確認していきましょう!

ステップ1:そもそも「著作権」って何?を理解しよう

まず、基本の「き」です。

著作権とは、「思想又は感情を創作的に表現したものであって、文芸、学術、美術又は音楽の範囲に属するもの」である著作物を作った著作者に与えられる権利のことです(著作権法第2条第1項第1号)。

簡単に言えば、作品を作った人が、その作品を勝手に使われないように守るための権利です。

  • 写真やイラスト、文章(ブログ記事など)は、この「著作物」にあたります。
  • この権利は、作品を作った時点で自動的に発生し、申請や登録は必要ありません。

あなたの会社のページに掲載されているオリジナルの文章や写真も、立派な著作物として保護されています。

ステップ2:ネットの画像を無断使用した際のリスクを知ろう

「ネットで見つけた画像だから、みんな使ってるし大丈夫だろう」は危険な考えです!無断で使用した場合、以下のような法的リスクがあります。

1. 著作権侵害による損害賠償請求

著作者は、著作権を侵害された場合、損害賠償を請求できます。

  • 具体的な事例:
    • ある裁判例では、他人の写真を無断で300枚以上ウェブサイトなどに掲載したことに対し、損害賠償金としてライセンス料相当額(画像1枚あたり6,000円など)と慰謝料の支払いが命じられました(事案によります)。
    • 無断使用が悪質と判断されると、請求額が大きくなる可能性もあります。

2. 差止請求

著作者から、その画像の利用をやめるよう求められる(差止請求)ことがあります。これにより、会社のページから急に画像やイラストを削除しなければならなくなり、ページ運営に支障をきたします。

3. 刑事罰の可能性

悪質なケースでは、刑事罰(懲役や罰金)の対象になる可能性もあります。企業のブランドイメージ信用を大きく損なうことになりかねません。

ステップ3:会社が取るべき確実な回避策を徹底しよう

では、会社としてどうすれば安心して写真やイラストを使えるのでしょうか?
確実な回避策は以下の4つです。

回避策メリット注意点・方法
1. オリジナル素材を作成する著作権侵害のリスクがゼロ!自社のブランドイメージを強化できる。社内で撮影・制作するか、外部の専門家に依頼する。
2. 有料の素材サイトを利用するライセンスが明確で、高品質な素材が多く、安心して商用利用できる。利用規約をしっかり確認し、使用範囲(広告利用の可否など)を守る。
3. 無料の素材サイトを利用するコストがかからない。「無料」=「著作権フリー」ではないことに注意!利用規約(商用利用の可否、クレジット表記の有無など)を必ず確認し、規約を厳守する。
4. 「引用」のルールを厳守する必要な情報を紹介するために、他者の著作物の一部を利用できる。「引用の5つのルール」をすべて守ることが必須! ①引用の必要性があること ②自分の文章が「主」、引用部分が「従」であること ③引用部分が明確に区別されていること ④引用元を明記すること(サイト名、URLなど) ⑤引用した著作物に修正を加えていないこと

特に、無料・有料問わず素材サイトを利用する場合は、ダウンロードした素材の利用規約(ライセンス)やダウンロード履歴取得日時などをしっかり記録しておくと、万が一トラブルになった際の証拠となります。

ステップ4:使用する際の具体的なチェックポイント

写真やイラストを使う前に、次の3点を必ずチェックしましょう。

  1. 【利用権限の確認】
    • 誰の作品か? 誰が著作権を持っているかを確認しましたか?
    • 商用利用はOKか? 会社のページでの利用が規約で認められていますか?
    • 改変はOKか? サイズ変更や色調整など、修正を加えても問題ありませんか?(一般的に、無断改変はNGです。)
  2. 【付随する権利の確認】
    • 人物が写っているか? 人物が特定できる場合、その人の肖像権(勝手に顔写真を公開されない権利)の許諾も必要です(モデルリリースなどの確認)。
    • 有名な建物や商品がメインか? 状況によっては、商標権所有権などに注意が必要です。
  3. 【証拠の保存】
    • 使用した素材の出典元(サイト名・URL)と、利用した時点の規約のスクリーンショットなどを必ず保存しておきましょう。

まとめ

会社のページに使用する写真やイラストの著作権問題は、「知らなかった」では済まされない重要なテーマです。

  • 著作権は作品を作った人を守る大切な権利。
  • ネット上の画像を無断で使うと、高額な損害賠償などのリスクがある。
  • 【オリジナル素材の作成】や【利用規約が明確な素材サイトの利用【「引用」ルールの厳守】でリスクを確実に回避しましょう。

今回ご紹介したステップを参考に、今一度、貴社のページで使用している素材が問題ないか確認してみてください。安心・安全なページ運営で、会社の信頼性を高めていきましょう!

参考資料

  • 文化庁 著作権
  • 著作権法
  • (その他、弁護士による解説記事や信頼できるITメディアの記事など)

※本記事は著作権に関する一般的な情報提供を目的としており、特定の事案に対する法的アドバイスではありません。具体的なトラブルや判断については、弁護士などの専門家にご相談ください。