WEBサイトの運用やメールサーバーとして広く使われているエックスサーバー(Xserver)。
非常に安定していて使いやすいサーバーですが、メールの設定次第で「特定の相手にだけメールが送れない」という不思議な現象が起きることがあります。
しかも、エラーメッセージは「有効なメールアドレスではないため、サーバに拒否されました」というもの。
「昨日までは普通に送れていたのに」「同じドメインのAさんには送れるのに、違うドメインのBさんには送れない。サーバーの不具合では?」と混乱してしまいがちなこのトラブル。
実は、エックスサーバー特有の「ある仕様」と「端末の設定漏れ」が組み合わさることで発生します。
今回は、この現象が起きる原因と、具体的な解決策を分かりやすく解説します。
同じ現象で困っている方は、ぜひ参考にしてください。
発生する現象
iPhoneのメールアプリなどでメールを送信した直後、画面に以下のようなポップアップが表示されて送信に失敗します。
「メールを送信できません。’xxxx@example.com’ は有効なメールアドレスではないため、サーバに拒否されました。」

このトラブルの厄介なところは、「すべてのアドレス宛てに送れない」のではなく、「送れるアドレス」と「送れないアドレス」が混在する点にあります。そのため、原因が端末にあるのかサーバーにあるのか、一見すると判断がつきません。
原因:エックスサーバーの仕様と「内部配送」の罠
結論から言うと、原因はメールソフト(iPhoneなど)の「送信メールサーバー(SMTP)のパスワード設定漏れ」です。
通常、送信パスワードが抜けていれば全てのメールが送れなくなるはずですが、エックスサーバーには以下のような仕様(挙動)があります。
1. 同じサーバー内の宛先なら「認証なし」でも送れてしまう
エックスサーバーは、送信元のメールアドレスと同じエックスサーバー内に存在するドメインやメールアドレス宛てにメールを送る場合、SMTP認証(ユーザー名やパスワードによる本人確認)をしていなくても、「サーバー内部の移動だから安全」と判断して、そのまま配送を通してしまいます。
2. 外部サーバーの宛先には「認証」が必須
一方で、お名前.comやGmailなど、エックスサーバーの「外」にあるサーバーの宛先にメールを送る場合は、第三者による悪質な大量送信(不正リレー)を防ぐため、厳格なSMTP認証を求めます。
ここでパスワードが設定されていないと、サーバーは送信を拒否します。
ユーザーが混乱するメカニズム
受信用パスワードだけを設定し、送信(SMTP)パスワードを空欄にした状態でメールソフトを運用していると、以下のような不整合が生まれます。
- 社内の同僚(同じエックスサーバー内)宛て:パスワードが空欄でも、仕様により「送れてしまう」
- 社外のクライアントや外部のML(他社サーバー)宛て:「認証エラー」となり送れない
この「一部は送れてしまう」という挙動こそが、「相手のアドレスが間違っているのでは?」「サーバーのルーティングがおかしいのでは?」とユーザーを混乱させる原因になります。
解決策:送信サーバー(SMTP)のパスワードを正しく設定する
この問題を解決するには、メールソフト側で「送信時にもしっかりとパスワード認証を行う」ように設定を変更するだけです。ここでは利用者の多いiPhoneでの設定手順を解説します。
iPhoneでの修正手順
- iPhoneの「設定」アプリを開き、「メール」>「アカウント」の順にタップします。
- トラブルが起きているメールアカウントを選択します。
- アカウント情報を開き、画面下部にある「送信メールサーバ(SMTP)」をタップします。
- 「プライマリサーバ(mail.〜から始まるサーバー名)」をタップします。
- 画面中ほどにある「ユーザ名」と「パスワード」を確認します。
薄いグレーの文字で「任意」と書かれているため、空欄のままにしてしまいがちですが、エックスサーバーでは外部送信に【必須】となります。
ここに、お使いの「メールアドレス(ユーザー名)」と「メールアカウントのパスワード」を手動で正しく入力し、右上の「完了」を押して保存してください。
設定は以上です。
これで外部のサーバー宛てであっても、正しくSMTP認証が行われるようになり、エラーなくメールが送信できるようになります。
まとめ
「一部のメールだけが届かない」というトラブルは、宛先のアドレス間違いやサーバーのブラックリスト入りを疑ってしまいがちですが、エックスサーバーにおいては「送信サーバーの認証漏れ」が隠れた定番の原因となっています。
社内や身近なところで「社内には送れるのに社外にだけ送れない」という声が上がった際は、まずスマホやPCのメールソフトで「送信サーバーのパスワードが空欄(任意)になっていないか」を確認してみてください。
