「仕事ではWindowsとChromebook、プライベートではMacとiPhone、さらに家族はAndroidを使っている……」
このように、社内や家庭内でバラバラの機種を使っていると困るのがファイルのやり取りです。
LINEで送るには容量が大きすぎたり、クラウドストレージにアップロードするのは時間がかかったりと、ストレスを感じていませんか?
実は、今ある「LAN(インターネット回線)」を上手に活用することで、機種の壁を越えてスムーズにファイルを共有することが可能です。しかも、インターネット上にデータを公開せず、LAN内だけで完結させることもできます。
この記事では、異なるOS間でのファイル共有を解決する方法と、安全に使うためのセキュリティ対策について解説します。
異なる機種間でファイルを共有する「LAN活用」の正解
Mac、Windows、iPhone、Androidなど、OSが異なる端末同士でファイルを共有したい場合、
最も一般的で便利な解決策はNAS(ナス)の導入です。
NAS(ネットワーク対応HDD)とは?
NAS(Network Attached Storage)とは、パソコンに直接つなぐのではなく、Wi-Fiルーターなどのネットワーク機器にLANケーブルで接続するハードディスクのことです。

これには以下のような大きなメリットがあります。
全機種からアクセス可能:
WindowsやMacはもちろん、専用アプリを使えばスマホやタブレットからもアクセスできます。
LAN内だけで完結:
インターネット上のクラウドサービスを経由しないため、外部にデータが漏れるリスクを低減できます。
高速転送:
同じWi-FiやLAN環境内でのやり取りなので、大容量の動画や画像データもスムーズに移動できます。
機種ごとの相性問題を気にせず、「家の(または会社の)中心にある本棚」のような感覚でデータを共有できるようになります。
快適なLAN環境を整える配線の工夫
NASを導入したり、接続するスマホやPCが増えたりすると、重要になるのが「通信環境の安定性」と「配線の整理」です。
Panasonicの情報によると、最近では住宅内のインターネットや電話、テレビ配線をまとめて整理・収納する設備(情報分電盤)が注目されています。

配線をスッキリさせて通信を安定させる
ルーター周りはケーブルが絡まりがちですが、壁面収納や天井裏などを活用して機器を隠すことで、部屋の美観を保つことができます。例えば、以下のような設備があります。
- まとめてねット:インターネットと電話の配線をコンパクトに集約する設備。
- 壁埋め込み型Wi-Fi:壁のコンセント部分にWi-Fiアクセスポイントを埋め込み、見た目をスッキリさせる機器。
また、LAN配線自体が「1Gbps(ギガビット)」などの高速通信に対応しているかどうかも重要です。古い規格のケーブルやハブを使っていると、せっかくのNASの速度が出ないことがあるため、設備の対応速度も確認しておくと良いでしょう。
「LAN内だけだから安心」は危険!必須のセキュリティ対策
「インターネットに公開しない社内・家庭内LANだから、セキュリティは適当でいい」と考えるのは非常に危険です。Wi-Fiの鍵(暗号化)が破られると、外部からLAN内に侵入され、共有しているファイルを盗み見られたり、通信をタダ乗りされたりするリスクがあります。

Buffaloが提唱する「Wi-Fiセキュリティの3本柱」を参考に、以下の対策を必ず行いましょう。
1. 管理パスワードの変更
Wi-Fiルーター本体の設定画面に入るための「管理パスワード」は、初期設定のままにせず、必ず変更してください。ここが突破されると、全ての設定を書き換えられてしまいます。
2. 強力な暗号化方式「AES」を使う
Wi-Fiの通信を暗号化する方式にはいくつか種類がありますが、強度が全く異なります。
- AES(推奨):現在最も強力な方式。通信中に暗号化キーを自動変更し続けるため解読されにくいです。
- WEP(使用禁止):古い方式で、簡単に解読されてしまうため絶対に使用してはいけません。
設定画面で「WPA3 Personal」や「WPA2-AES」などが選択されているか確認しましょう。
3. ファームウェアの更新
ルーターやNASの中身(ソフトウェア)を常に最新の状態に保つことも重要です。
メーカーは新たなサイバー攻撃の手口が見つかるたびに、それを防ぐための更新プログラム(ファームウェア)を配布しています。自動更新機能がある場合はONにしておきましょう。
まとめ
社内LANや家庭内LANを活用すれば、MacやWindows、スマホが混在していても、NASを使って快適にファイルを共有できます。

- 共有方法:NAS(ネットワーク対応HDD)をルーターに接続するのが近道。
- 環境整備:配線を情報分電盤などで整理し、1Gbps対応の環境を整えると快適。
- セキュリティ:「AES」による暗号化と管理パスワードの変更で、外部からの侵入を防ぐ。
LANは便利な反面、セキュリティ対策を怠ると情報の出口にもなってしまいます。総務省の「国民のためのサイバーセキュリティサイト」なども参考にしながら、安全で便利な共有環境を作ってみてください。
